占星術の醍醐味のひとつに「未来予測法」があります。
出生図分析をマスターしたら、未来予測にもチャレンジしてみてください。
占星術の沼にハマっていくこと間違いなしです!
未来予測とは
未来予測という言葉から「2年後の○月×日頃、あなたにこんなことが起こります。」
・・・なんて予言チックなイメージを抱くかもしれませんが、
ホロスコープから未来を「断定」することはできません。
「予言」ではなく「予測」
そもそも「未来」というものは誰にもわかりません。
「運命」とは「動いて運ばれる命」と書きます。
運命は、今この瞬間のあなたの「行動」で変わっていくものなのです。
占星術で読む未来予測はあくまでも「予測」であって、
未来を断定する「予言」ではないことを強調しておきます。
未来予測の意義
では、占星術でいう「未来予測」の意義とはなんでしょう?
ここからは私の個人的な見解ですが、大切にしている考えなので記しておきます。
ホロスコープから読む「未来予測」とは、
ホロスコープに記された星の配置から、運気やその時の人生のテーマを読み解くこと。
それらを参考にしながら、自分にとっての「最善解」を【考える】ためのツールだと思っています。
毎瞬毎瞬の行動によって未来が変わっていくのであれば、
今この時期をどのように過ごしていこうか?
自分が望む未来に向けての「脳内作戦会議」を円滑に行うために
星の流れをヒントにしながら作戦を練る手段として、
占星術の未来予測(時期読み)が使いやすいという訳です。
星は誘えど、強制せず
中世ヨーロッパの神学者、哲学者、聖人でもあるトマス・アクィナスが語ったと言われる言葉です。
この言葉には、私たち人間には「自由意志」があることを語っています。
占星術の未来予測を「天気予報」に例えてみます。
星の動きから、
この先しばらく雨が降りそうな予測がされます。
あなたは今から出かける予定でした。
もしもこの後雨が降るかもしれないとわかっていれば、
あなたは雨が降ってもいいように傘を準備して出かけるかもしれませんよね。
もしくは遊びに行く先を屋内に変えるかもしれません。
雨が降っても最大限楽しむにはどうしようか?
など前もって準備することができる。
それが未来予測の醍醐味だと思います。
そして雨が降ると言われていても
予定通りピクニックに出かけるという選択肢もあります。
選択肢の中からどれを選ぶのか?
決定権はあなたが握っているのです。
ならば、
せっかくなら自分にとっての「最適解」「最善解」を選びたいと思いませんか?
それを考えるきっかけやヒントとして、
占星術の「未来予測」を活用してもらえたらと思います!
人生の主役は「あなた」です。
自分の過去や現在、未来をどう捉えるのかによって、
人生の中で起こる出来事の認識は変わっていきます。
「星まわりが悪かったからこんな羽目になった。」と嘆くのはなく、
私たちが自分の人生に対して積極的に参与していることに気づこと。
未来を自分の力で創造していけると感じられることが、
占星術の未来予測を活用する大切な意義ではないでしょうか。
星を使って、あなた自身の手で望む未来を手に入れましょう。
未来予測法の種類
占星術で数多くある未来予測法の中で
特に重要な「進行法」と「経過法」についてざっくりと説明します。
進行法
進行法(プログレス)とは・・・「天体の進行」という意味。
出生のホロスコープ天体を「ある法則」に基づいて進めた手法です。
ネイタル(出生)ホロスコープを意図的に動かすもので、自分だけの「体内時計」を示します。
その人にとっての「内面の関心事・テーマ」の変化などを読み解くヒントとして活用できます。
進行法には様々な方式がありますが、ここでは私が使用している2つの方式をお伝えしますね。
- セカンダリー・プログレッション
- ソーラーアーク・ディレクション
セカンダリー・プログレッション
「1日1年法」
地球の1日(自転1周)は天の1年(公転1周)と同等とみなす考えです。
ざっくり言うならば、自分の満年齢における運勢を示しているもの。
セカンダリー・プログレッションから「人生のあらすじ」を感じ取ることができます。
例)20歳の運気を調べたいとき→生まれてから「20日後」の星の配置(ホロスコープ)を読む。
なぜ1日が1年に相当するの???
ハテナマークが飛び交いますね。
ですが、ここが占星術の醍醐味なのよ!(私なりのね)
上なるもののごとく、下なるものはあり 内なるもののごとく、外なるものはあり 宇宙のごとく、魂はあり (コレスポンデンスの法則)
マクロコスモス(大宇宙)とミクロコスモス(小宇宙=私たち)は、
互いに関連し対応している関係性である。
古代の知恵のある人々が空を見上げ、星の動きと地上の動きに関連性があると気づいた。
星の動きを読みがなら暮らしに取り入れてきた。
そして数千年の時を経て、今私たちはその叡智に触れているのです。(エモくないですか!)
ここに占星術の原理があります。
(この法則に私は心底心を奪われたのだぁ〜)
日本の占星術界でメジャーな進行法が、この「セカンダリー・プログレッション」です。
(海外では次に説明するソーラーアークの方が盛んだと言われています)
ソーラーアーク・ディレクション
「太陽の1日の移動距離(太陽弧)=1年法」
太陽が1日で動く距離(弧=アーク)が1年に相当とするという考え方。
「全ての天体・感受点」も太陽の動きと同じ分だけ進行させる手法です。
「1度1年法(1度を1年とみなす)」と混同しやすいかもしれませんが、
ソーラーアークは1度1年ではありません。
「太陽の1日の動き」が1年の基準となるので、季節によって太陽の進む距離に差が出ます。
遅い時期では1日で約0度57分、速い時期では1日で約1度01分。
(年によっても差があり一定ではない)
最初は微妙な誤差ですが、だいたい30歳頃からその差が大きくなってきます。
時期を予測するには年単位で変わっていくの注意が必要となります。
そのためソーラーアーク法を正確に算出する場合は、ソフトを使用することをお勧めします。
セカンダリーとソーラーアークの違い
一体どちらの進行法がいいの?
って迷っちゃいますよね。
結論から言うと、使う人の好みになります。
が、それだとあんまりなので(笑)
それぞれの利点・欠点を簡単にご紹介しますね。
《セカンダリー・プログレッション》
利点:
- 心の動きやテーマの変化がわかる
- P月が人生ストーリーとして読みやすい
- 日本ではメジャーな手法なので、セミナーや書籍が出回っていて学びやすい
欠点:
- 月、水星、金星、太陽、火星までの天体しか活用できない
- 順行や逆行があるからソフトや天文暦でチェックが必要
《ソーラーアーク・ディレクション》
利点:
- 事象となって現れやすい
- 月〜冥王星、軸も全て使える
- シンプルな手法なので使いやすい
- 逆行や留がない(全て順行)から目測でもある程度は動かせる
欠点:
- 日本語の書籍が少ない
- 目測では30歳頃から誤差が大きくなるため、ソフトでの正確な算出が必要となる
利点・欠点というより、それぞれの特性があるという感じです。
セカンダリーは断然プログレスの月(P月)が使えますし、
ソーラーアークでは全ての天体や軸を動かせるので、ダイナミックな動きが出てきます。
セカンダリーは日本でメジャーなので、独学でも学びやすいと思います。
海外ではソーラーアークが主流と言われていますが、
日本ではあまり書籍が出回っていないので、学ぶ環境が必要になるかもしれませんね。
最近(2023年6月)ARI占星学総合研究所からソーラーアークの日本語版書籍が発売されました。
ソーラーアークにご興味がある方には朗報です!
「ソーラーアークハンドブック」
著者:フランク・クリフォード
翻訳:浦谷計子
発行所:ARI占星総合研究所
価格:5000円(税抜)
結月の場合、占星学を学び始めた当初「セカンダリー」しか知らなかったのですが、ノエルティル心理占星術をアメリカ在住の先生から学んだことがきっかけで「ソーラーアーク」を知り、現在鑑定では「ソーラーアーク」をメインで活用しています。
(厳密にはプログレスの月とソーラーアークを併用。)
自分の過去を検証してみたところ、人生の中で大きな転換期や重要な時期とソーラーアークでの時期表示が見事に一致することが多くて震えました。
実際の鑑定でもクライアントさんからびっくりされることが多く、ソーラーアークは現実的な事象となって現れるなぁ〜って感じています。
セカンダリーとソーラーアークの詳細な魅力をもっと書きたいのですが、長くなるので別記事にしますね。
経過法
経過法(トランジット)とは・・・「通過する」とういう意味。
現在運行中の星の配置からどのような影響を受けやすいかを読み解く手法です。
天体にはそれぞれ固有の運行周期があるので、大きな人生周期や毎年の周期的な運気の流れを知ることができます。
トランジットで馴染み深い星の配置として、「新月」や「満月」があります。
新月は、太陽と月がホロスコープ上で重なる時。
(専門用語では「コンジャンクション(合)」)
満月は、太陽と月がホロスコープ上で真向かいにくる時。
(専門用語では「オポジション」)
人生の大きな流れを感じるには、
土星や天王星といった外惑星の天体周期は要チェックです。
特に「中年の危機」(30代中盤〜40代中盤)に相当する
土星・天王星・海王星・冥王星のトランジット(リターン)は超絶重要!
人生の重要な節目となる時期なので、未来予測の本領発揮をしたいところです。
一方で日々のムードを感じるには、動きの速い月や内惑星の動きをチェックしていきます。
トランジットは自分の心づもりに関わらず外からやってくる星の影響、
物事が発動するためのトリガー(引き金)として関与します。
プログレスで心の準備ができて、トランジットで出生図の星のタネが刺激されて、現象として発動する
出生図に込められた自分の星のタネが、体内時計であるプログレスで何かしらの変化が訪れたタイミングと、外から突然やってくるトランジットがトリガーとなった結果、現実世界で事象となって現れる。
みたいなイメージです。
最後に
今回は占星術でよく使われる「未来予測法」の2つの手法である
「進行法」と「経過法」のざっくりとした概要をお伝えしました。
これらの詳細な説明は、今後記事にアップしていきますね。
最後に、繰り返しとなりますが重要なことをお伝えします。
占星術での未来予測は、あなたの未来を決めつけるものではありません。
アメリカの心理占星家、故ノエルティル先生の格言にこのような言葉があります。
人生の課題は、天体が行うのではなく、人が行うのだ
星々の配置から象徴として読み解くことができるけれど、
その象徴すらも自分の成長段階によって変わります。
大切なのは、自分の人生に起きていることに対して「意識的に」関わることです。
星は誘えど強制せず
星は私たちに何かを強要することはありません。
いつだって人生の選択肢は私たち自身にあることを忘れないでくださいね。
自分の人生のハンドルは自分で舵をとる。
そのためにも「未来予測法」を上手に活用していきましょう!
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