ホロスコープはギリシア語で「時を見張る」という語源があるように、「時=タイミング」を読む手法があります。
人生の中で重要な転換期となる出来事と、天を運行している星(トランジット)と自分の生まれ持った星(ネイタル)にはどのような関連性があるのでしょうか?
今回は土星をテーマに振り返ってみたいと思います。
回帰図(リターンチャート)
回帰(リターン)とは、現在運行中の天体が自分の出生天体の位置に戻ってくることを指します。
天体にはそれぞれ固有の「時間」が流れています。
「公転周期」と呼ばれるもので、太陽系の惑星たちは太陽の周りを各々の周期で回っているのですが、それぞれの流れる時間によって、回帰する期間が変わります。
ルナリターン(月回帰)・・・約1ヶ月毎 ソーラーリターン(太陽回帰)・・・約1年毎 ジュピターリターン(木星回帰)・・・約12年毎 サターンリターン(土星回帰)・・・約29.5年毎
現在運行中の天体(トランジット)が出生の天体(ネイタル)の上に
ピッタリと戻ってくる瞬間のホロスコープを回帰図(リターンチャート)と言います。
このリターンチャートを読むことで、月ならおよそ1ヶ月の流れが、太陽なら1年間のテーマなどを読むことができます。
天体のリターンは、私たちの人生において大なり小なり何かしらの「転換ポイント」のきっかけとなる可能性が示唆されます。
土星回帰
土星は太陽の周りを約29.5年かけて1周します。
土星回帰は「サターンリターン」と呼ばれ、西洋占星術では重要視する星の配置図です。
サターンという言葉の響きから「サタン(悪魔)」を連想するかもしれませんが、サタンとサターンは別物なのでご安心くださいね。
それでも「土星」という天体は、電子顕微鏡が発明され天王星が発見された1781年以前では太陽系でいちばん遠い天体と認識されていたため、古典では「大凶星」として恐れられていたのも事実です。
現代占星術(特に心理占星術)では、土星は試練や課題、コンプレックスを象徴しますが、必ずしも「凶」という意味合いではなく、私たちが決めてきた課題であり、乗り越えると強みになる「成長のために必要な困難」だと捉えられています。
土星は「制限」や「枠」を象徴します。
土星回帰は、私たちの人生にとって何かしらの囚われた「枠」(例えば幼少期から培われた親から受け継いだ価値観など)を乗り越えるターニングポイントとしての重要な時期となり得ます。
土星の7年周期
土星は約29.5年で1周するため、私たちの一生を通じても2〜3回しか経験できません。
そのため360度の1周を4分割して考えていきましょう。
半周(180度)と1/4 周(90度・270度)も重要な時期となります。
0度→90度→180度→270度→360度(0度)とホロスコープ上約7年周期で、重要なポイントに達することになります。
人生の7年周期・・・どこかで聞いたことがありませんか?
そう、東洋医学でも7年周期で体調変化の節目が出やすい時期だと言われています。
(某○○酒のコマーシャルで有名な)
私たちの人生でも7年毎の節目を感じてみましょう。
・7歳頃(土星90度) 小学校入学による環境の変化 ・13〜14歳頃(土星180度・ハーフリターン) 第2次反抗期、思春期 初潮などのホルモンバランス変化 心も体も不安定な時期 昔でいえば「元服」を迎える時 ・21〜22歳頃(土星270度) 社会に出る頃、環境や立場の変化 ・29〜30歳頃(1回目のサターンリターン) 結婚、出産、離婚など 誰かの価値観で生きてきた人生から、 本当の意味での「自立」を迎える頃 ・36〜37歳頃(土星90度) 体力的にも精力的に頑張れる時期 ・43〜44歳頃(土星180度・ハーフリターン) 「中年の危機」の終盤頃 残り後半の人生を考え直す重要な時期 第2の思春期(思秋期) 人生の正午(byユング) ・58〜59歳頃(2回目のサターンリターン) 還暦を迎える頃 親の介護や孫の世話 子供や夫婦の関係性 定年を迎えて役割変化、喪失感など
このように土星の7年周期は人生にとって重要なリセットタイマーのような働きを担います。
この時期前後に自身の中で何か心の変化があったか、人生の転換期となる出来事があったかを
振り返ってみると、自分と向き合うきっかけになりますよ。
土星ワーク
では、実際に土星のワークを行ってみましょう。
まずは「出生図」をご用意ください。
(無料ホロスコープ作成サイトがたくさんあります)
出生の「土星」の位置をチェックしてね。
「ち」のようなマークが土星のマークです。
(例:土星・・・「獅子座」11度39分)
2重円を作成(内側が出生図、外側がトランジット図)
土星がピッタリ同じ度数になる日時をチェック(サターンリターンの場合)
同様に出生の土星とトランジットの土星が90度、180度、270度となる時もチェック
土星は1年の間に数ヶ月間逆行します。
そのため人によっては、2〜3回行ったり来たりと同じ度数にコンタクトをとることがあります。
ピッタリと重なった時期から前後半年ほどの有効期間があるので、この辺りから前後半年ほどに起こった出来事や心境の変化などを振り返ってみましょう。
14歳、21歳、29歳、36歳、45歳、52歳、59歳頃
あなたの人生で何か重要となる転換期はあったでしょうか?
結月の土星を振り返る
21歳頃(土星90度)
2回目の看護学校進学、社会人から再び学生にチャレンジした時期です。
人生の中で4年間真剣に頑張ろうと、覚悟を決めた時期でした。
29歳頃(1回目のサターンリターン有効期間中)
長女を出産。
この1年前頃より心境の大きな変化があり、子どもを育てる決意ができたと同時期に妊娠。
正確なサターンリターン形成の数ヶ月前に出産しました。(有効期間内に入る時期)
親になるという社会的責任を担う大きな覚悟を決めた時期。
今までの価値観が大きく変わるきっかけとなる、私の人生最大の転換期だったと思います。
36歳頃(土星90度)
仕事での社会的責任が大きくなった時期。
看護師として仕事に邁進していた時でした。
45歳頃(土星ハーフリターン)
中年の危機終盤。
仕事を辞めてフリーランスとして駆け出した頃で超模索中。
実父の死別を経験。人生に対して色々向き合った時期。
故ノエルティル氏は、土星リターン(0度90度180度)を「マスタータイマー」のようだと言っていましたが、本当に人生の重要な時期に相当すると実感しています。
占星術を学び始めた頃は、土星回帰(サターンリターン)は怖いものという先入観がありましたが、こうして振り返ってみると、今の自分を形成する重要な時期だったと思います。
土星の課題は避けても姿を変えて何度も降りかかってくると言われますが、土星の課題すら生まれる前に自分で決めてきたことだとしたら?
何も恐れることはない!
逃げずに向き合うことで必ずコンプリートできる課題なのだと思います。
私たちの魂は進化(深化)したくて、冒険したくて、今この人生を選んで生まれてきたはず。
土星の課題は、実は魂が震えるわかりやすい課題なのではないでしょうか?
あなたの課題は何ですか?
土星を恐れず、自分の土星と向き合っていきましょう!
ホロスコープを知ることで、土星と向き合うヒントが得られますよ。
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